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糖尿病とお金のはなし

2019年1月24日掲載

100_01_01.pngここでは、糖尿病の外来治療に関わるお金のはなしをします。
糖尿病の治療内容はお一人お一人で異なります。食事療法と運動療法だけの方、経口薬を服用している方、注射薬で治療を行っている方などさまざまです。
糖尿病の外来治療にかかる医療費は、薬の種類や量・自己注射の種類や回数・通院する医療機関や通院回数・合併症の状況や程度などによって変わります。

目次

「糖尿病のお金のはなし」をお読みいただく際の注意

はじめに

糖尿病の診療ではどれくらいお金がかかるのか、定期的に診療を受ける患者さんにとっては重要なことです。また、ご病気である、なしにかかわらず、皆さんの医療費がどのように使われているかを知ることは、協力して暮らしやすい社会をつくるのに良い影響があるでしょう。

一方で、患者さん毎にかかる医療費は異なるため、お金の話をするのは簡単なことではありません。この項では、外来診療にかかるお金について、14の例を挙げて説明しています。長い説明が続きますので、目次を見ながらご自分に関係のあるところだけお読みください。

医療費の計算方法について

日本の医療保険制度では、通院する医療機関の病床数や保険医療機関の指定状況等により医療費の計算方法が異なります。そのため、ここでは国立国際医療研究センター病院の糖尿病内分泌代謝科を受診した場合の概算をもとに、糖尿病患者さんにかかる費用の例を作成しました。あくまで一医療機関における目安であり、診察や処方に関連する項目や金額は、他の施設にそのまま当てはめることはできません。
また、今回の計算は2018年度の診療報酬点数表(注)に基づいた計算となっております。診療報酬改定の際に変更が加わることが予想されますので、その点もご留意ください。

<試算上の条件>
  1. 国立国際医療研究センター病院(特定機能病院の承認あり、200床以上)を受診した成人
  2. 処方箋を病院から受け取り、調剤薬局で薬をもらう院外処方で算定
  3. 計算の際にはジェネリックには変更しない(計算の簡素化のため。ジェネリックの詳しい説明は 治療費を軽減する制度について で解説します)
  4. 通院は月に1回と仮定し、処方は30日分で計算
  5. 支払い額の合計は、医療費の自己負担割合が3割の場合を掲載
  6. 保険点数・薬価は2018年4月薬価・診療報酬改定後の値で算定

(注)診療報酬点数とは、診療行為に対する医療費のことです。
一つの診療行為を行うと、“この診療報酬点数は○点”という対応が決まっています。医療費は、こうしたルールのもとで、1点=10円換算で計算されています(10円未満は五捨五入)。
ここでは、患者さんが支払う医療費の例は金額(円)で記載し、診療行為の詳細説明の項では診療点数(点)で記載していますのでご留意ください。

その他、個々の医療費の例について

計算を現実に即したものにするため、処方に関して具体的な商品名を提示しておりますが、計算のための例であり、この処方(又は処方の組み合わせ)が望ましいということを示すものではありません。

投薬がない方、もしくは飲み薬だけの方の場合(例) 

例1)受診のみ(食事と運動療法だけ)で投薬がない患者さんの場合

まずは、糖尿病のお薬を処方されていない方が受診(検査と診察)した際にかかる1回の費用です。検査の金額についてはあくまでも目安で、項目の増減によって変わります。
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例2) 受診と経口薬(1種類)を処方されている患者さんの場合 

100_01_02.png糖尿病の飲み薬が処方された場合は、病院で支払う診療料に加えて、処方箋料と薬局での支払いが加わります。
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例3) 受診と経口薬(2種類)を処方されている患者さんの場合

内服薬の種類が複数の場合は、薬の種類・量・内服回数によって金額は変わります。
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*内服のタイミングが同一の薬剤はまとめて計算する決まりになっています。

例4) 受診と経口薬(3種類)を処方されている患者さんの場合

糖尿病の飲み薬が複数の方の例です。
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*内服のタイミングが同一の薬剤はまとめて計算する決まりになっています。

注射製剤を使用している方の場合(例)

100_01_03.pngインスリン自己注射治療が始まると、薬代(インスリン)が増えるのに加えて、在宅自己注射指導管理料が算定されるようになります。また、自己血糖測定も開始された場合には、血糖自己測定指導加算なども算定されます。インスリンや血糖測定に関連する診療点数の詳細については、自己血糖測定・注射製剤に関する医療費(詳細)をご覧ください。

例5)受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月60回以上)をしている患者さんの場合

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例6)受診と経口薬(1日1種類)+GLP-1受容体作動薬(1日1回)+血糖自己測定(月60回以上)をしている患者さんの場合

100_01_04.pngGLP-1受容体作動薬で治療する場合も、インスリン治療と同様に、在宅自己注射指導管理料や血糖自己測定指導加算などが算定されます。
(GLP-1受容体作動薬について詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。)
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例7)受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+GLP-1受容体作動薬(1日1回)血糖自己測定(月60回以上)をしている患者さんの場合

インスリンとGLP-1受容体作動薬を併用する場合には、注射管理料や血糖測定器加算の費用は変わりません。使用する注射薬のお薬代のみ支払う金額が変わります。
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例8)受診と糖尿病経口薬1剤+インスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月120回以上)をしている患者さんの場合

100_01_03.png1型糖尿病の患者さんでは、月120回以上の血糖測定(およそ1日4回の測定)が保険適応となります。以下は、1日4回のインスリン注射と4回の血糖測定を行っている患者さんの例です。
(2型糖尿病患者さんは、月に60回以上の血糖測定(およそ1日2回の測定)まで保険適応になります。100_01_ta08.png

自己血糖測定・注射製剤に関する医療費(解説)

①自己血糖測定に関する費用

血糖自己測定器加算

血糖測定を行なっている患者さんは、血糖測定の消耗品(血糖測定のセンサー・針など)の代金として下記の費用がかかります。測定回数により、金額は異なります。
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保険診療の範囲内でお渡しできる分は、2型糖尿病患者さんの血糖測定の上限は月60回、1型糖尿病の方・妊娠中の糖尿病患者さん・妊娠糖尿病の方の上限は月120回までです。それ以上必要となる場合は、院外薬局で自費購入していただくことになります。

血糖測定に関する消耗品には、簡易血糖自己測定器の貸与料、試験紙(血糖測定センサー、あるいは血糖測定チップ)の支給、穿刺(せんし)用器具、穿刺針、消毒用アルコール綿などの費用が含まれています。

持続血糖測定器加算(持続血糖測定器を使用している方)

血糖変動の不安定な患者さんに対して使用され、持続的に血糖測定をするための機械です。
測定センサーは消耗品であり、一月に処方されるセンサーの個数により、費用が変わります。(機械本体は貸与です。)
インスリンポンプ治療のひとつである、CGMと連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)を行なっている方の場合もこちらの加算を算定します。
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②自己注射に関連する費用

在宅自己注射指導管理料

外来で自己注射を行なっている患者さんに対して、診察時に自己注射に関する指導管理を行なった場合に算定されます。ひと月の注射回数に応じて費用が変わります。
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導入初期加算

注射製剤を初めて開始する際や注射製剤の種類を変更した際に、診察時にこれらの指導管理を行った場合に算定されます。
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在宅療養指導料

注射製剤の自己注射導入にあたり、看護師から注射の打ち方や日常生活の注意点などの特別な説明が必要だった場合に加算されます。
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インスリンポンプ治療をしている方の場合(例)

ここでは、インスリンポンプ治療を使用した際にかかる費用について、ご説明します。
インスリンポンプの治療は従来のインスリン治療ではコントロールが難しい方に行われる治療で、2種類の方法があります。ひとつは、持続的に皮下にインスリンを注入する①持続皮下インスリン注射療法(CSII: continuous subcutaneous insulin infusion)、もう一つはCSIIと持続血糖測定(CGM:continuous glucose monitoring)の2つの機能を併せ持つ機械を装着する②CGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)です。

インスリンポンプ治療に関連する診療点数の詳細については、インスリンポンプ治療に関連する医療費(解説)をご覧ください。また、インスリンポンプの治療法に関する内容は持続皮下インスリン注入法をご覧ください。

①持続皮下インスリン注射療法(CSIIのみ)

例9)持続皮下インスリン注射(CSII)+血糖測定(月120回以上)をしている患者さんの場合

薬代(インスリン)・自己注射管理指導管理料に加え、機械の貸与や使用する消耗品に対する費用としてシリンジポンプ加算・自己血糖測定器加算が算定されます。
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②CGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)

100_01_05.pngインスリンポンプ(CSII)は持続的に血糖測定を行うセンサー(CGM)と連携し、リアルタイムで血糖値を表示することが可能です。高血糖や低血糖時のアラーム機能ももっています。

例10)CGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)を行っている患者さんの場合
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インスリンポンプ治療に関連する医療費(解説)

ここでは、インスリンポンプ治療の診察時にかかる診療点数について説明します。
インスリンポンプを使用している場合、診察時にはインスリン流量調整や詳細な血糖測定結果の確認など、非使用時と比べて特別な配慮が必要となります。また、インスリンポンプの機械の貸与、センサーの消耗品の費用代などのために以下の加算がかかります。

治療を行なっている方の例については、インスリンポンプ治療をしている方の場合を合わせてご覧ください。

在宅自己注射指導管理料

CSII、またはCGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)を行なっている場合に、診察時の指導管理料として算定される費用です。
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間歇注入シリンジポンプ加算

CSII療法を行なっている場合に算定される加算です。
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持続血糖測定器加算

CSIIとCGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(CGM+CSII)の持続血糖測定に対して算定される加算です。
(持続血糖測定のためのトランスミッターを使用した場合に算定されます。ポンプの費用もここに含まれるため、上記の、CSII療法で算定される“間歇注入シリンジポンプ加算”と同時算定はできません。)
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上記に加えて、血糖測定のためのセンサーの費用を合計します。
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糖尿病の合併症を治療中の方、または眼底検査を行った場合(例)

100_01_06.pngここでは糖尿病の合併症や関連する生活習慣病をお持ちのかたの例をご紹介します。糖尿病と合併症の病気についての詳しい話は、こちらをご覧ください。

①糖尿病と高血圧の治療をしている場合

糖尿病を持つ方が、高血圧で内服治療をしている場合の概算です。薬の種類・量・回数によって金額は異なります。

例11)受診と糖尿病経口薬(2種類)+高血圧経口薬(1種類)を処方されている患者さんの場合
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②糖尿病・高血圧・脂質異常症の治療をしている場合

脂質異常症の治療が追加で必要になった方の場合の例です。脂質降下薬のお薬代が追加されます。

例12)受診と糖尿病経口薬(1種類)+高血圧経口薬(2種類)+脂質異常症経口薬(1種類)を処方されている患者さんの場合
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*内服のタイミングが同一の薬剤はまとめて計算する決まりになっています。

③糖尿病腎症を合併している場合

糖尿病腎症を合併し内服治療が始まると、薬が増えて支払額が増加します。

例13)受診とインスリン療法(1日4回)+腎臓の経口薬2剤+血糖自己測定(月60回以上)をしている患者さんの場合
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④糖尿病の網膜症の検査をする場合

100_01_07.png糖尿病の方は眼の合併症を起こしていなくても、1年に1回の眼科受診が推奨されています。 眼科を1回受診し眼底検査を行った際にかかる費用例を紹介します。

例14)眼底検査にかかる費用

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眼科診察で眼底検査を行う際は、一般的に散瞳(黒い瞳である瞳孔を開く点眼薬を使用)して行います。光を眩しく感じ、物が見えにくくなるため、直後は車や自転車の運転は控えましょう。

妊娠中の糖尿病患者さんまたは、妊娠糖尿病の方の場合(例)

妊娠中の高血糖としては、糖尿病の診断に至らないけれど、妊娠中としては血糖値が高い“妊娠糖尿病”と、もともと糖尿病をお持ちの方が妊娠した“糖尿病合併妊娠”があります。 どちらの場合も、医療費は血糖測定の回数や、看護師による療養指導、使用したお薬代で費用が変わります。 糖尿病と妊娠の療養に関することについて詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

例15)受診と血糖自己測定(月120回以上)+療養指導を受けた妊婦さんの場合

妊娠糖尿病の方で、妊娠中の療養指導と血糖測定を行った方を想定した例です。
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**妊婦加算は平成31年1月1日以降、期間未定で算定できない取扱いとなっています。

例16)受診とインスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月120回以上)をしている妊婦さんの場合

糖尿病をお持ちの方が妊娠し、通常の糖尿病診療に加えて療養指導を行った場合の例です。
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**妊婦加算は平成31年1月1日以降、期間未定で算定できない取扱いとなっています。

妊娠中の糖尿病患者さん、または妊娠糖尿病の方に関連する医療費(解説)

妊娠中の糖尿病患者さん・妊娠糖尿病の方へ、自己血糖測定の指導や周産期の療養指導がされたときには、“在宅妊娠糖尿病患者指導管理料”加算されます。

在宅妊娠糖尿病患者指導管理料


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自己血糖測定・インスリン注射については、妊娠していない方と同様に自己血糖測定・注射製剤に関する医療費がかかります。詳しくは自己血糖測定・注射製剤に関する医療費についてをお読みください。

妊婦加算 (注)平成31年1月1日以降は、別に厚生労働大臣が定める日(平成31年1月1日時点では未定)まで算定できない取扱いとなっています。

 糖尿病に限らず、妊娠中の方が病気で医療機関を受診した場合は、安全に行える検査や使用できるお薬が限られます。診療に際して特別な配慮が必要とされるため、平成30年度より妊婦加算が設けられました。

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妊婦加算については、厚労省が作成した妊娠中の健康管理及び妊婦加算の周知について(外部リンク)のリーフレットにも説明があります。
(上記にあります通り、平成31年1月1日以降、現在の妊婦加算は算定されません。)

治療費を軽減する制度について(解説)

ここでは、お薬代の負担を減らすジェネリック医薬品についてのおはなしと、一定額以上の医療費がかかった場合に医療費が控除される制度についてご紹介します。

①ジェネリック医薬品を使ってみましょう

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、これまで使われてきたお薬の特許が切れた後に、これまでのお薬と同じ有効成分を同量含み、同等の効き目があると認められた医薬品です。ジェネリック医薬品を選択すると、先発医薬品に比べて、薬の値段が4割~5割程度安くなることがあります。

ジェネリック医薬品の普及によって、一人ひとりの自己負担だけなく、国の財政・健康保険組合の負担などの削減、ひいては高齢化社会の進展によって増大を続ける国民医療費の抑制にもつながります。

ジェネリック医薬品をご希望される場合は、病院・診療所・保険薬局で医師・薬剤師にそのことを伝えてください。医師に直接言いにくいのであれば、受付などで相談するのもいいでしょう。診察券あるいは保険証に、市町村や協会けんぽ及び健康保険組合が配布している「ジェネリック医薬品希望シール」を貼付したり、または「ジェネリック医薬品希望カード」(下記参照)を受付に提示したりする方法もあります。
詳しくは、政府広報オンライン「ジェネリック医薬品」(外部リンク)をご覧ください。 100_01_08.png

<出典>日本ジェネリック医薬品学会ウェブサイト

②高額療養費制度

医療機関や薬局で支払った医療費が高額で、ひと月の上限額を超えた場合、その分のお金が戻ってくる制度です。自分で払わなければならない医療費の上限額は、年齢や所得によって決まります。
詳しくは、糖尿病と社会保障・福祉制度の高額療養費制度をご覧ください。

③医療費控除制度

一年間に支払った医療費を確定申告時に提出することで、所得税や住民税から医療費を控除できます。生計を一緒にする家族にかかった医療費の合計が対象となります。

控除の金額は、確定申告をされる方の所得によってきまります。詳しくは下記のサイトをご覧ください。
国税庁:医療費を支払ったとき(医療費控除)(外部リンク)

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